「ゴー・トゥー・マーケット」で最初の市場であるセンターピンを探そう!

 前回、イノベーションを生むアイデアの考え方みたいな記事を書きました。自社の商品をもとに、新たな価値を提供するための方法を見てきたわけですが、今回はそもそもなんの商品で事業をスタートすればいいか?というのを考えていきたいと思います。

そこで今回使うフレームワークは、GTM(Go To Market)というもの。これは、起業大全起業の科学で知られる田所雅之氏が提唱したもので、最初のいってを考えるのに最適なツールです。どこの市場から攻めれば最も効率がいいのか?が明確になる考え方なのでぜひご覧あれー。

センターピンを見つけろ!

新規事業を確実に軌道に乗せるための鍵は、最初に倒すべきドミノの1枚、あるいはボウリングのセンターピンにあたる初期顧客セグメントを特定することにあります。新規事業が失敗に終わる最大の理由は、初期における参入市場の選択ミスにあると田所さんは語っておられます。

多くの事業責任者は、どうしても最初から大きな市場を狙ってしまいがちです。

  • Amazonのような何でも揃ってるECサイトを作るぞ!

  • 世界中の人がつながることのできるチャットツールを作るぞ!

  • すべての決済を集約するサービスを作るぞ!

これらは最終目標としては悪くはないものの、経営資源が限られている初期段階で広大な市場に真っ向勝負を挑むと、大企業の資本力に押し潰されるか、自社のアプローチが分散して自滅してしまいます。だからこそ、まずは圧倒的に資源を集中させて確実に勝てるセンターピンを探さなければなりません。

世界最大のECサイトであるAmazonも、まさにこの戦略を体現しています。創業者のジェフ・ベゾスはもともとヘッジファンドの副社長を務めていましたが、いきなりネットで金融商品を売ろうとしたり、最初から何でも揃う巨大なECサイトを立ち上げたりしたわけではありません。彼が最初のセンターピンとして選んだのは、書籍の通信販売という極めて狭いセグメントでした。

当時、ベストセラーの有名な本であれば街の書店に行けば誰でも買えましたが、それ以外の専門書やマイナーな本を買う手段は、都心部の大型店舗へわざわざ行くしか方法がありませんでした。ここに深い顧客の課題があったのです。さらに書籍は、生鮮食品や洋服などとは違い、消費期限がなく、流行にも左右されづらいという配送や在庫管理上の大きなメリットもありました。ベゾスは書籍という確実なセンターピンを倒し、そこで顧客の信頼とECの仕組みという強固な足場を作ったからこそ、その後の巨大EC帝国へと拡大することができたんですね。

ゴー・トゥ・マーケットを実践する3つのステップ

では、具体的にセンターピンを見つける方法を見ていきたいと思います。そのステップは市場を分割し、センターピンの仮説を立て、どのように倒れていくかをシミュレーションするという流れです。

ステップ1. 市場を分解する

まずは、参入したい市場をセグメントとバリューチェーン(もしくはカスタマージャーニー)の2軸で分解していきます。このとき、田所さんは市場を単に分けるだけでなく、セグメントの規模を大・中・小のレイヤーに切り分け、さらに顧客の行動プロセスを徹底的に特定せよとおっしゃっております。

また、セグメントを分ける際は、一つの切り口だけでなく、複数の切り口を掛け合わせて考えることが重要です。顧客の規模だけでなく、業種、地域、あるいは顧客の行動特性や心理的ハードルといった複数の変数を組み合わせることで、より自社が勝てる独自の隙間市場が浮き彫りになります。

例えば、飲食店の業務効率化システムを提案する場合の構成を見てみましょう。

  • 縦軸(複数の顧客セグメント切り口)
    企業の規模(大中小)に加えて、提供する料理のジャンル(和食、洋食、居酒屋など)や、営業形態(夜間メイン、ランチメイン)を掛け合わせます。

    • 大セグメント:全国に100店舗以上を展開する大手飲食グループ

    • 中セグメント:特定の地域で5店舗から30店舗を展開する中堅グループ

    • 小セグメント:1店舗から3店舗を少人数で経営する個人経営の居酒屋

  • 横軸(バリューチェーンのプロセス):
    顧客企業が日々行う業務プロセスの流れで横軸を分解します。

    • ステップ1:食材の仕入れ・在庫管理(問屋への発注業務や冷蔵庫の在庫把握)

    • ステップ2:調理・キッチンの運営(オーダーを受けてから料理を提供する進捗管理)

    • ステップ3:接客・ホール業務(席への案内や注文の聞き取り)

    • ステップ4:会計・決済(レジでの支払い処理や売上データの集計)

    • ステップ5:顧客関係維持・リピート促進(退店後のメルマガ配信やポイントカード運用)

次に、一応toCビジネスの例も見ておきましょう。例えば、オンラインのフィットネスアプリを提案する場合の構成は以下の通りです。

  • 縦軸(複数の顧客セグメント切り口)
    ユーザーの年齢・性別だけでなく、運動の目的(ダイエット、筋肥大、健康維持)や、現在の運動習慣(未経験、週1回、毎日)を掛け合わせて大中小に切り分けます。

    • 大セグメント:日常的にジムに通っており、より高い成果を求めるアクティブ層

    • 中セグメント:過去にジムに入会したものの長続きしなかった挫折経験層

    • 小セグメント:運動経験が全くなく、体型維持に焦りを感じ始めている在宅勤務の30代会社員

  • 横軸(カスタマージャーニーのプロセス)
    個人の顧客がサービスを知り、利用し続けるまでの体験価値の流れで横軸を分解します。

    • ステップ1:認知・興味(自身の健康課題に気づき、解決策を探す段階)

    • ステップ2:比較・検討(他のジムやアプリと比較する段階)

    • ステップ3:初期利用・オンボーディング(アプリをダウンロードして最初に使ってみる段階)

    • ステップ4:継続利用(日常のルーティンとして運動を継続する段階)

    • ステップ5:ファン化・口コミ(成果を実感し、友人に薦める段階)

このように、縦軸に複数の切り口を用いた大・中・小のセグメントを置き、横軸にバリューチェーンやカスタマージャーニーを置くことで、市場を縦横の格子状に細かく分解したマトリクスが完成します。

ステップ2. 最初のセグメントを選択する

細分化したマス目のなかから、最初に狙いを定める領域を1つだけ選びます。ここで選ぶべきなのは、そこを倒せば隣の領域も連鎖的に攻略できるポイントで、選定の基準は以下の3点。

1. 抱えている課題が極めて深刻で、今すぐ解決策を求めていること

この基準は、顧客が「あったら便利だな(Nice to Have)」と思う程度のものではなく、「今すぐお金を払ってでもこの苦痛から逃れたい(Must to Have)」と切望している領域を指します。 新規事業の初期フェーズでは、顧客に「あなたの課題はこれですよね」と教育して気づかせるだけの時間も資金もありません。そのため、すでに課題が限界に達し、血を流している状態の顧客(初期顧客、あるいはエバンジェリスト・ユーザー)を狙う必要があります。

この深刻さと緊急性を検証するためのポイントは以下の3つです。

  • 代替手段への「不条理な投資」の有無: 顧客がその課題を解決するために、現在「信じられないほど非効率な方法」や「高額な継ぎはぎの手段」を自前で編み出して使っているかを確認します。例えば、毎日数時間かけて手作業でExcelにデータをコピペしている、複数のツールを無理やり連携させてしのいでいる、といった行動は「お金を払ってでも解決したい深刻な課題がある」という動かぬ証拠です。

  • 「今すぐ解決したい」時間的切迫度: 「来期までに検討する」ではなく、「今月中に何とかしなければ業務が破綻する」「このままだと顧客を失う」といった、時間的な期限が迫っている状態かどうかです。この切迫度が高いほど、営業活動における意思決定のスピードは劇的に速くなります。

  • 「予算の有無」ではなく「痛みの強さ」: 「予算がないから買わない」というのは、実は課題がそこまで深刻ではないことの言い訳に過ぎません。本当に深刻な痛みを抱えている顧客は、既存の別の予算を削ってでも、あるいは個人のポケットマネーを叩いてでも、その解決策を「今すぐ」手に入れようとします。

2. 自社の強みを100パーセント活かせること

この項目は、単に「自社ができること」を並べるという意味ではありません。 新規事業における本当の強みとは、「競合が真似しようとしても、時間的・構造的に真似できない独自の資源や偏愛」を指します。これを100パーセント活かすとは、自社の持つアセットと、ターゲット顧客が抱える深刻な課題が「完璧に噛み合っている状態」を作ることです。

この基準をクリアしているか検証するためには、以下の3つの要素が満たされているかを確認します。

  • 資産(アセット)の適合: 自社がこれまでに培ってきた有形・無形の資産が、その市場を攻略するために直接役立つかという視点です。既存事業で磨き上げた独自の技術、特定の業界に特化した深い業務知識、あるいはすでに信頼関係ができている独自の顧客ネットワーク(チャネル)があるか。これらを初期の武器としてフル活用できる領域を選びます。

  • 認知摩擦の少なさ: 自社が新しい事業を始めるとき、市場から「なぜあなたがそれをやるのか?」という問いに対して、一瞬で納得してもらえるストーリー(文脈)があるかという点です。まったく脈絡のない分野に参入すると、信頼獲得に多大なコストがかかります。自社の歩みの「延長線上」にその課題解決があることで、初期の信頼獲得コストを限りなくゼロに抑えられます。

  • 組織の熱量(インサイド・アウトの熱狂): 立ち上げメンバーや社内が、その課題解決に対して「個人的な強い興味や怒り」を抱いているかです。競合がビジネスライクに参入してくるのに対し、自社が「採算度外視でもこの問題を解決したい」という狂気的な熱量を持っている領域であれば、それ自体が他社には絶対に真似できない最強の強み(参入障壁)になります。

3. 競合がまだ手をつけていない、あるいは見落としている隙間であること

この項目は、単に「誰もいない広大な未開の地を探す」ということではありません。 現代において、完全に競合がゼロの市場はほぼ存在しません。ここで狙うべきは、「大企業や既存の強者たちが、構造上の理由から『あえて手を出さない(出せない)』と判断しているニッチな隙間(不条理な空白地帯)」です。

この隙間を見つけ出すためには、以下の3つのアプローチで市場を観察します。

  • 大企業の「経済合理性の限界」を突く: 大企業には「一定以上の市場規模や利益率が見込めない事業には参入しない」という絶対的なルールがあります。年間の想定売上が極小の市場や、個別の泥臭いカスタマイズ、対面サポートが必要な「手間がかかりすぎる領域」は大企業が最も嫌う領域です。この「非効率さ」こそが、新規事業が守るべき強力な参入障壁になります。

  • 既存事業との「カニバリゼーション(共食い)」の隙間を突く: 業界のリーダー企業が「自社の既存の稼ぎ頭」を守るために、あえて手をつけていない領域を狙います。例えば、既存企業が「高額な初期費用と月額保守料金」で儲けている業界に、自社が「初期費用ゼロ、使った分だけの従量課金」で参入する場合、競合は自社の既存売上を失う恐怖から、すぐには真似できません。この「動けないタイムラグ」が狙うべき隙間です。

  • 顧客の「妥協」に隠された死角を見つける: 競合他社が「今のやり方で顧客は満足しているはずだ」と思い込んでいる、あるいは見落としている顧客の不満に焦点を当てます。既存製品が多機能すぎて価格が高く複雑になっている場合の「特定の機能だけに絞り込んで安く提供する引き算の隙間」や、全体の8割のマス層からこぼれ落ちた「特定の業界に特化した極端なニーズ」に特化することで、競合の死角で圧倒的なシェアを確保できます。

ステップ3. 拡大のロードマップを描く

最初のセグメントで製品が市場に適合した状態、いわゆるPMF(Product Market Fit)を達成したら、次にどのマス目へ進出するかのストーリーを描きます。ただし、田所さんはこのPMFを達成するまでには、泥臭さが必要だと語っています。

優れた製品を作れば自然に売れるわけではありません。決済代行サービスであるストライプの創業者であるコリソン兄弟の事例がそれを物語っています。彼らはサービスを立ち上げた当初、電話で営業をしまくり、ソフトの使用を許可してくれた事業者のもとへ実際に自ら出向いていきました。そして、ソフトのインストール作業から使い方の説明まで、目の前の顧客に対して丁寧に行ったのです。最初はこのような地道で泥臭い作業から、ユーザーとの接点を増やしていくことが、製品を本当に愛されるものへと磨き上げ、最初のマス目を制覇するための鍵となります。

この点は、過去に書いた「カタリストの思考法」の記事が役に立つんじゃないかなと思いますのでそちらもぜひ。

そして、最初のセグメント(センターピン)を泥臭く攻略したあと、いかにしてリソースの浪費を防ぎながら、隣のセグメントへと「ドミノ倒し」を起こしていくか。その設計図の作り方を考えていきます。

① 「最初のドミノが倒れた」をどう判定するか?

最初のマス(例:個人経営の飲食店の仕入れ管理)から、次のマス(中規模チェーン、あるいは決済管理)へ進出していいのは、最初のマスで「プロダクト・マーケット・フィット(PMF)」を達成したときだけです。 これを感覚ではなく、数値で客観的に判定するために以下の指標を用います。

  • 「40%ルール(ショーン・エリス・テスト)」のクリア: 最初のマスのユーザーに対して、「もし明日このサービスが使えなくなったらどう感じますか?」とアンケートを取ります。その際、「非常に残念だ(仕事に致命的な支障が出る)」と答えた割合が40%以上であれば、最初のドミノは完全に倒れた(PMFを達成した)と判定できます。

  • チャーンレート(解約率)の安定: 月間の解約率が、業界平均(一般的にBtoB SaaSであれば1%〜3%以下)に収まっており、ユーザーが定着し続けている状態です。

  • オーガニックな「紹介(バイラル)」の発生: 広告を打たなくても、既存ユーザーが同業者に「これめちゃくちゃ便利だよ」と自発的に勧めてくれる状態ができたら、そのセグメントは制覇した証拠です。

② 隣のマスへどう染み出すか?「2つの進出ルート」

最初のドミノが倒れたら、次に狙うマス(隣のマス)を決めます。広げ方には、論理的に「横展開」「縦展開」の2つのルートしかありません。

▼ルートA:横展開(バリューチェーンの拡張)

  • アプローチ: 顧客(セグメント)は変えずに、提供する機能(バリューチェーンやカスタマージャーニー)を隣にズラす戦略です。

  • 具体例: 「個人経営の飲食店(小)」という顧客層はそのままに、提供する価値を「仕入れ管理(ステップ1)」から、蓄積されたデータを活かした「調理・キッチンの運営効率化(ステップ2)」へと横にスライドさせます。

  • メリット: すでに信頼関係があり、自社製品の使い方を理解してくれている既存顧客に対して追加提案(アップセル)するだけなので、マーケティング・営業コストがほぼゼロで市場(売上)を広げられます。

▼ルートB:縦展開(顧客セグメントのアップマーケット)

  • アプローチ: 提供する機能(解決する課題)は変えずに、顧客の規模(大中小)を一段上に引き上げる戦略です。

  • 具体例: 「仕入れ管理システム(ステップ1)」という製品はそのままに、ターゲットを「個人経営(小)」から「3〜10店舗展開の中規模チェーン(中)」へと上にスライドさせます。

  • メリット: 「あの個人店で劇的な効果が出た」というリアルな実績と口コミを強力な武器にして、営業を有利に進められます。中規模チェーンも「競合の個人店が導入して効率化している」と知れば、導入への焦りが生まれます(ドミノ効果)。

③ 進出の具体順序

これらを踏まえ、あらかじめ紙に「どのような順序でマス目を制圧していくか」の矢印(ロードマップ)を描いておきます。

  • 1段階目(センターピン): 個人経営の飲食店(小) × 仕入れ管理

  • 2段階目(横展開): 個人経営の飲食店(小) × 調理運営(既存顧客への追加提案)

  • 3段階目(縦展開): 中規模チェーン(中) × 仕入れ管理(実績を引っ提げて営業)

  • 4段階目(総合化): 中規模チェーン(中) × 調理運営

  • 最終段階(市場制圧): 大手チェーン(大)へアプローチ

ロードマップを描くときの鉄則は、「一度に『縦』と『横』の両方を動かさないこと」です。 例えば、「個人店の仕入れ管理」から、一気に「中規模チェーンの決済管理」へ行こうとすると、顧客も変わり、課題(機能)も変わるため、またゼロからの泥臭い新規開拓になってしまいます。

必ず「顧客を固定して機能を広げる(横)」か、「機能を固定して顧客の規模を上げる(縦)」か、どちらか一軸だけをズラしながら進むこと。これが、GTMにおける最も安全で打率の高い拡大の作法です。

まとめ:ターゲットは狭めるな!

とかく最初に倒すセンターピンを見つけることの重要性を書いてきたわけですが、最後に一つ、勘違いしやすいポイントを押さえておきましょう。GTMの戦略において最初のセンターピンを絞り込むことは、決して自社の将来的なターゲットを狭めて小さくまとめるという意味ではない、という点です。

著名なマーケターである森岡毅氏も提唱しているように、マーケティングにおいてターゲティングで市場そのものを狭めてしまうのは本末転倒です。なぜなら、商品が売れる実質的な市場の大きさは、以下の数式で厳格に決まってしまうからです。

実質的な市場の人数=母集団の人数×認知率×配荷率

ここで使われる各用語の意味は以下の通りです。

  • 認知率: その商品のことを知っている人の割合

  • 配荷率: 商品が市場に出回っており、実際に手にとって買える環境にある人の割合

商品はユーザーが知っていなければ、そもそも購入を検討する選択肢に入ることができませんし、どれだけ欲しくても、売っている店や利用できる場所が少なければ買うことができません。

例えば、100人が暮らす村を考えてみましょう。認知率が80パーセント、配荷率が70パーセントの商品がある場合、数式は以下のようになります。

100人×80%×70%=56人

この56人という数値が、実質的な市場の母数になります。あなたの商品を買ってくれるかどうかは、この56人の中からしか生まれません。最初から狙う市場の全体像を小さく設定してしまうと、この母数がさらに減ってしまい、ビジネスとして成り立たなくなってしまいます。したがって、市場全体を大きく捉える視点は絶対に捨ててはなりません。

GTMで行うべきなのは、最終的に市場全体を獲得するために、まずはどこから攻めれば最も効率よくドミノを倒せるかを考えることです。

例えば、オンライン診療サービスを立ち上げるケースで考えてみましょう。最初から、子供向けのオンライン診療サービスを提供するぞと決めて、自らの市場をそこだけに固定してしまうのはNGです。

正しいアプローチは、市場全体を視野に入れながらも、まずは最もニーズが深刻で口コミが広がりやすい子供向け医療というセンターピンから提供を始めることです。子供向けに浸透すれば、それを日常的に利用して良さを実感した親御さんも自ずと利用するようになり、大人向け市場へ拡大できます。さらに、その家庭でペットを飼っている層に向けて獣医師のオンライン診療もできるようにしていく、というように発展させられます。

このように、ゴー・トゥ・マーケットは、将来の大きな市場を諦めることではなく、むしろ市場全体を確実に制圧するために、限られたリソースを最初の1点に集中させる選定手法です。市場を複数の切り口による大中小の規模、そしてバリューチェーンやカスタマージャーニーのプロセスで細分化し、最も課題の深い顧客を特定して泥臭く攻略し、そこからドミノ倒しのように市場を広げていくロードマップを描くことが事業を成功へ導きますので、参考にされてみてはいかがでしょうかー。おしまい。