前回は理論編と題して革新的なアイデアを生むための7つの質問を見てきましたので、今回はその実践編として、研究チームが推奨する「誰でも革新的なアイデアが作れる5つのステップ」を見ていきたいと思います。
ステップ1:自分のまわりの環境を絵にする
まずは、自分が置かれている状況の地図を描くことから始めます。以下の4つの要素を紙に書き出し、それらがどうつながっているかを矢印で結んでみましょう。
自分たちの会社
お客さん
ライバル
社会全体の動き
これを矢印で繋ぐときは、「その社会の変化によって、それぞれのプレイヤーにどんな影響や心の変化が起きているか」を考えて、矢印を引っ張ります。具体的に一つずつ見ていきましょう。
社会の動き ➔ お客さん(顧客の心の変化・新しい悩み)
タイパ(時間対効果)重視の浸透 ➔ 無駄な手続きや長い説明を嫌い、要点だけを早く知りたいという欲求の強まり
健康寿命の長期化 ➔ 単に長生きするだけでなく「心も体も若々しくありたい」という自己投資への関心の高まり
「所有」から「利用」へのシフト ➔ 物を所有して管理・維持する手間の面倒くささ、身軽さへの憧れ
お客さん ➔ 社会の動き(消費者の行動が社会のトレンドを作る流れ)
不買運動やエシカル消費の広がり ➔ お客さんが環境に悪い企業を避けることで、社会全体に「エコでなければ生き残れない」という倫理観を定着させる
若い世代のSNSでの体験シェア ➔ お客さんが「映え」や「体験」をSNSに投稿し続けることで、社会全体の消費行動を「モノ消費からコト消費」へと塗り替える
個人のフリマアプリ利用の日常化 ➔ お客さんが個人間でモノを売買することで、社会全体に「中古品への抵抗感の薄れ」や「循環型社会」を定着させる
社会の動き ➔ 自分たちの会社(自社が受ける直接的な影響・風)
人手不足の深刻化 ➔ 既存スタッフへの業務負担の増加と、それに伴う労働環境の見直しの迫り
法改正や公的ルールの変更 ➔ 提出書類の増加や業務プロセスの変更など、コンプライアンス対応へのコスト増
原材料・エネルギー価格の高騰 ➔ 製造コストや仕入れコストの上昇による、ダイレクトな利益幅の圧迫
自分たちの会社 ➔ 社会の動き(自社が社会に対して与える好影響や発信)
自社による徹底したペーパーレス化の推進 ➔ 自社が率先してデジタル化を進めることで、業界全体の「紙ベースの商習慣」を無くす流れを作る
自社独自の多様な働き方(週休3日など)の導入 ➔ 自社が先進的な働き方を実現することで、地域や業界の労働環境のモデルケースとなり、社会の常識をアップデートする
地域密着型のボランティアや寄付活動 ➔ 自社が地域社会に貢献することで、地元の活性化や、企業に対する信頼感を高める社会貢献トレンドを作る
社会の動き ➔ ライバル(競合が受ける直接的な影響・風)
デジタル化の急激な波 ➔ ライバルがIT化についていけず、顧客対応のスピードが落ちている(自社にとっての隙・チャンス)
インバウンド(外国人観光客)の増加 ➔ ライバルがいち早く多言語対応や海外決済を導入し、新しい客層を独占し始めている
環境意識の高まり(エコ推進) ➔ ライバルが「環境配慮型」の商品ラインナップへ一斉にシフトし始めている
ライバル ➔ 社会の動き(競合が社会にムーブメントを起こす流れ)
ライバルによる「業界初の無人店舗」の展開 ➔ ライバルが新しい技術を社会に浸透させることで、「店舗は無人が当たり前」という新しい社会の常識を作り出す
ライバルの大規模なテレビCMやSNSキャンペーン ➔ ライバルが特定のキーワードやライフスタイルを流行らせることで、社会全体に新しいブームや文化を定着させる
ライバルによるプラットフォーム(共通規格)の提供 ➔ ライバルが業界の新しい標準ルールを作り上げることで、社会全体のインフラや取引のやり方を変えてしまう
ライバル ➔ 自分たちの会社(競合からの直接的な影響・プレッシャー)
ライバルによる最新技術(AIなど)の導入 ➔ 自社の古いシステムやサービスが見劣りしてしまう焦り
ライバルの価格競争(値下げ) ➔ 自社の既存顧客に対する「相見積もり」や「乗り換え」の圧力
他社のM&A(合併・買収)による巨大化 ➔ 競合の資金力や販売ルートの急拡大による、自社の市場シェア低下の脅威
自分たちの会社 ➔ ライバル(自社が競合に与えている影響・プレッシャー)
自社の優秀な人材の定着・引き抜き ➔ 業界内の優秀な働き手が自社に集まり、ライバル側の採用や開発が難航している
自社独自の特許や技術の囲い込み ➔ 自社がコア技術を押さえたことで、ライバルが同じような製品を開発できず手をこまねいている
自社による手厚いアフターサポートの提供 ➔ 自社がお客さんをガッチリ掴んでいるため、ライバルが新規参入する隙を与えていない
ライバル ➔ お客さん(競合がお客さんに行っているアプローチ・影響)
競合の「無料お試し」や「定額制(サブスク)」の導入 ➔ お客さんが、自社の「都度課金(一括払い)」のサービスを高く感じてしまう変化
競合による迅速なデジタル対応(チャットツールなど) ➔ お客さんが「他社はすぐに返事をくれるのに」と、自社に物足りなさを感じる変化
競合のブランドイメージ刷新(リブランディング) ➔ お客さんが「競合のほうが先進的でオシャレだ」と感じ、そちらに流れてしまう魅力付け
お客さん ➔ ライバル(お客さんが競合に対して起こしている反応や要求)
競合に対する不満やクレームのSNSでの拡散 ➔ お客さんがライバルのサービスにがっかりして、その弱点を周囲に広めている(自社にとっての大きなチャンス)
競合の新しい製品に対する熱狂的なリピート購入 ➔ お客さんがライバルのファンになってしまい、なかなか自社の話を聞いてくれなくなる状態
競合への「もっと安くしてほしい」という価格交渉 ➔ お客さんがライバルに値下げを迫ることで、結果的にライバルの利益率を圧迫させている
自分たちの会社 ➔ お客さん(自社がお客さんに届けているもの、または生み出している課題)
自社の対面重視の丁寧な接客 ➔ お客さんに「困ったときにいつでも相談できて安心だ」という深い信頼感を与えている
自社の複雑な料金プランや手続き ➔ お客さんに「選ぶのが面倒くさい」「もっと分かりやすくしてほしい」という不満やストレスを与えてしまっている
自社の長年の技術力・ノウハウの提供 ➔ お客さんに「他では真似できない高い品質と確かな安心」を届けている
お客さん ➔ 自分たちの会社(お客さんから自社へのダイレクトな要求や反応)
お客さんからの「カスタマイズ(個別対応)」の要求 ➔ 自社の標準プランでは満足してもらえず、個別のカスタマイズ対応に追われて現場が疲弊している
お客さんによるSNSでのポジティブな口コミ発信 ➔ 広告費をかけなくても、新規のお客様が自社にどんどん問い合わせてくれる好循環
お客さんの「解約」や「利用頻度の減少」 ➔ 自社のサービスにお客さんが飽きてきている、または魅力を感じなくなっているというサイレントな警告
この地図を眺めることで、まだ誰も手をつけていない手つかずの場所が見つかり、新しいアイデアを生み出せるチャンスの場所がはっきりと見えてきます。
ステップ2:大胆な目標を決める
地図を見ながら、どこを目指すかという目標を言葉にします。ここでは、普通なら無理だと思うような、大きくて大胆な目標にすることがコツです。例えば、
お客さんの作業時間を、いまの10分の1に削減する」
製品の価格を半分に引き下げつつ、会社の利益を2倍にする」
説明書や研修が一切なくても、おじいちゃんやおばあちゃんが10秒で使いこなせるシステムを開発する」
広告費を1円も使わずに、100万人のお客さんにファンになってもらう仕組みを作る」
いまの主力商品をすべて無料(タダ)で提供し、まったく別のルートで売上を作るビジネスモデルを確立する」
ライバル会社が明日、うちの半額でまったく同じサービスを始めても、圧倒的に勝ち続ける独自の価値を創出する」
入社したその日から、新人スタッフがベテランと同じ品質で仕事ができる仕組みを構築する」
お客さんが商品を買った後、一生ずっとファンでい続けてくれる持続的なサービスを提供する」
地球環境を1ミリも汚さず、むしろ作れば作るほど地球が綺麗になる製品を製造する」
私たちの業界に全く関係のない『宇宙旅行』や『テーマパーク』のノウハウを、自社のサービスに完全融合させる」
このような目標のことをストレッチゴールと呼びます。これは心理学者のエドウィン・ロックらが提唱した「目標設定理論」では、目標は具体的で難易度が高いほど個人のパフォーマンスが向上することが実証されています。人は「少し頑張れば届く」程度の中途半端な目標では既存のやり方に固執してしまいますが、あえてストレッチゴールを設定することで、脳が「これまでのやり方では絶対に無理だ」と判断し、未知のパフォーマンスを引き出すためにギアを一段階上げるのです。
この高い目標設定は、脳の認知システムにも劇的な変化をもたらします。脳の視床下部にあるフィルター機能「RAS(網様体賦活系)」は、普段は日常と同じ情報しか通しません。しかし、「利益を2倍にする」といった途方もない目標を脳にロックオンするとこのフィルターが書き換わり、これまで見過ごしていた異業種のアイデアや画期的な手法が急に目に留まるようになります。これにより、既存の手法を磨くだけの「前年比5%アップ」のような限界を突破し、現在のやり方を一度すべて破壊して全く新しいプロセスをゼロから作り直す「創造的破壊(ブレイクスルー)」が強制的に引き起こされるのです。
さらに、この挑戦は脳をポジティブな興奮状態へと導きます。脳は、非常に困難ながらも「達成できたらものすごい見返りや感動がある」という状況において、モチベーションを司る「ドーパミン」を最も多く分泌します。ドーパミンの作用によって学習能力や問題解決能力が大幅に向上し、チーム全体が「無理かもしれないが、達成できたら最高に面白い」というワクワク感を持って主導的に動き出す感情的コミットメントが生まれるのです。
ステップ3:魔法の質問を投げかける
ここで前回見たSEIQの出番。ご自身の製品・サービス、リソースをもとに、イノベーションを起こすための質問を使っていきます。ここでは7つの質問には、以下のような、より具体的な質問が用意されていて、解像度が上がっているはず。こちらもSEIQと同じように、1から順番に質問に答えていき、アイデアを書き留めていってください。一つの質問に時間をかけすぎず、ポンポン次に進むのがポイント。
LOOK(見る)
HIGHER
What could we look at from a higher level?
より高いレベル、または抽象的なレベルから見ることはできないだろうか?REVERSE
What could we reverse or look at inversely?
逆さまにしたり、あべこべに見たりすることはできないだろうか?VALUES
What values could we switch? (Bad/Good)
良いものを悪く変えたり、悪いものを良く変えることはできないだろうか?KID
How could we look at this like a kid would?
子供の視点で見たらどう見えるだろうか?IGNORE
What could we ignore that everyone "knows is true"?
誰もが当然だと考えていることを無視できないだろうか?HOLISTIC
How could we look at this in a more holistic way?
もっと全体的な視点でこれを見ることはできないだろうか?USE(使う)
LEVERAGE
What could we leverage better, or for the first time?
もっとうまく活用したり、初めて活用したりできるものはないだろうか?FOUNDATION
What could we use as a foundation for something else?
別の何かの土台として使えるものはないだろうか?SUBSTITUTE
What could we substitute for something else?
他のもので代用できるものは何かあるだろうか?ASPECT
What new aspect of something could we use?
新しい側面を使えるものはなんだろうか?REMOVE
What could we remove altogether, to help us streamline?
完全に削ぎ落とした方が効率化されるものはないだろうか?CHANGE
What could we change and then use differently?
違う方法で使ってみることはできないだろうか?MOVE(動かす)
IMPORT
What could we import from another field or realm?
別の分野や領域から新しく持ち込めるものはないだろうか?REARRANGE
What could we rearrange or reconfigure?
配置を変えたり、構成をやり直したりできるものはないだろうか?REPLACE
What could we replace with something else?
別のものと置き換えられる部分はないだろうか?FREQUENCY
What could we make happen more/less frequently, or at different times?
頻度を増やしたり減らしたり、あるいは違う時間帯に起こせるものはなんだろうか?TRANSPARENCY
What could we make more transparent, connecting us with more information?
もっと透明にして、より多くの情報とつなげられるものはなんだろうか?SPEED
What could we speed up or slow down?
速度を上げたり、あるいは遅くしたりできるものはなんだろうか?INTERCONNECT(つなぐ)
POWER
What could we use to power something else?
新たにつなげて使えるものはないだろうか??COMBINE
What things could we combine to make a new thing?
新しいものを作るために、組み合わせられるものはなんだろうか?NETWORK
What could we turn into/ make more like a network?
網目状に変えられるものはないだろうか?PARTNERSHIPS
What people or groups could we form new partnerships with?
新しく協力関係を結べる人やグループは誰がいるだろうか?OPEN
What could we make more open to enable co-creation?
共に作り上げるために、もっとオープンにできるものはなんだろうか?EXPERIENCE
How could we improve the overall experience?
全体的な体験をどのように向上させられるだろうか?ALTER(変える)
QUALITY
How could we radically increase equality?
品質を根本的に高められる方法はないだろうか?DESIGN
How could we change/ improve design?
デザインを変更、または改善したほうが良いものはないだろうか?PERFORMANCE
How could we change/ improve the performance?
性能を変更、または向上できることは無いだろうか?STANDARDIZE
What could we standardize/align/unify to make things better?
状態を良くするために、標準化したり揃えたり統一したりできるものは無いだろうか?AESTHETICS
How could we make this more beautiful, improving the aesthetics?
見た目の美しさを高めるにはどうすればいいだろうか?FUNCTIONS
What new functions could we create?
どんな新しい機能を作り出せるだろうか?MAKE(作る)
PROCESSES
What new processes could we create?
新しい手順や仕組みを作り出すことは出来ないだろうか?MEANING
What new meaning could we create/infuse?
新しい意味を生み出し、込めることができないだろうか?HARNESS
What could we harness to make something new?
新しいものを作るために、どんな自然の力や技術を利用できるだろうか?SPECIALIZE
What could we make more specialized, and discussed?
もっと専門性を高めて、議論を深められるものはなんだろうか?INSTANTIATE
What could we instantiate into something new?
抽象的なアイデアを、どんな新しい具体的な形にできるだろうか?SCI-FI
What could we learn from Sci-Fi?
SFの世界から学べるものは無いだろうか?IMAGINE(想像する)
AMPLIFY
What could we amplify or increase?
良い部分を膨らませたり、増やしたりできるものはないだろうか?EASIER
What could we make easier, or more fun?
もっと簡単にするか、あるいは楽しくできるものはないだろうか?NEGATIVES
What negatives could we get rid of?
どんな不満やマイナス要素を取り除くことができるだろうか?CRAZY
What crazy idea could we try that just might work?
うまくいくかもしれない、一見ありえないようなアイデアはなんだろうか?APPLY
What could we apply in a new way or context?
新しい方法や環境で応用できるものはあるだろうか?TRY
What could we just try, to see what happens?
とりあえず実験としてやってみて、様子を見られるものは何かあるだろうか?
ステップ4:アイデアを並べ替える
たくさん出たアイデアの中から、どれを実際にやるべきかを選びます。アイデアを以下の2つの軸で点数をつけていきましょう。
奔放さ:どれくらい面白くて新しいか
クリエイティビティの高さを以下の5段階で点数をつけます。ここではどんなにバカげているアイデアも、現実味が薄いものでも構わず、面白い!と思えば高得点を付けてください。奔放ではない
少し奔放である
奔放である
まあまあ奔放である
かなり奔放である
現実性:どれくらい現実的で実行しやすいか
このアイデアを実現する時の難易度を測定します。どんなに面白いアイデアでもリソースが枯渇してしまうようであれば点数は低くなります。現実的ではない
少し現実的である
現実的である
まあまあ現実的である
かなり現実的である
つまらないけれど簡単なアイデアは、多くの組織がやってしまいがちですが、これでは世界は変わらないのであまり意味がありません。一方で、めちゃくちゃ面白いけれど今はできないというアイデアは、普通の会社では無理だと捨てられてしまいますが、どうすれば現実的にできるかをここで前向きに話し合えば、素晴らしい宝物になる可能性があります。見つけたいのは、面白くて、しかも今すぐできるという両方の点数が高い最高のアイデアです。
最終的に、この2つの点数をかけ合わせ、上位2つのアイデアを選び出します。
ステップ5:アイデアを仕事の予定に変える
研究チームは最後に、選ばれた最高のアイデアを会社の正式な仕事として動き出せるようにするために、次の4つの書類を作ることを推奨しておられます。
輝かしい解説
その大胆なアイデアや目標が実現したとき、「どれほど素晴らしい未来が待っているか」を魅力的なストーリーで描くビジョン提案書です。周囲からの反発を跳ね返す盾になります。「もしこれが成功したら、数年後に私たちはどうなっているか」の未来予想を書きます。(または 未来予想図を描きます。)
例:「このAI自動化が成功すれば、メンバーの残業はゼロになり、全員が新規事業のクリエイティブな仕事だけに集中できるようになります。会社の利益率は30%向上します」
地味な数値データだけでなく、読んだ人が「うわ、その未来、最高じゃん!」とワクワクしてモチベーションが湧き上がるような、エモーショナルで輝かしい言葉でまとめられた資料です。
思考実験
本当にそんなことできるの?」という疑問に対し、「もし〇〇という前提なら、理論上は可能である」というロジックを証明するためのシミュレーション資料です。現実の細かい制約(予算が足りない、人手が足りないなど)を一度すべて無視して、「理想的な条件下なら、どういう仕組みでブレイクスルーが起きるか」の理論的なプロセスを書きます。
例:「もし全顧客データがリアルタイムで同期され、確認のステップを完全にゼロにできれば、理論上は手続き時間は10分の1まで短縮可能です。そのための技術的なルートはAとBの2つがあります」
絶対に無理」を「理論上は可能」に変えるための、頭の中の実験結果をまとめた資料です。
脅威の評価
綺麗事だけでなく、それを実行したときに「どんなリスク、障害、反対が予想されるか」を冷徹に洗い出したリスク分析書です。これまでのやり方を壊すことで、既存の顧客からどんなクレームが来るか?」「他部署からどんな反発が起きるか?」「技術的にどこで座礁するリスクがあるか?」という生々しい脅威をリスト化します。
そして、それぞれの脅威に対して「もしそれが起きたら、私たちはどうやって対処するか」という事前の防衛策(バックアッププランも書きます)。
リスクから目を背けず、あらかじめ手の打ちようを考えておくことで、プロジェクトの生存率を上げるための資料です。
ボスの承認
上記の「輝かしい未来(1)」「理論上の実現性(2)」「リスクへの対策(3)」をすべて踏まえた上で、決定権を持つボスに「責任を持ってGOサインを出してもらう」ための、覚悟の合意書(決裁文書)です。単にハンコをもらう紙ではなく、「ボスにどんな役割や後ろ盾を期待するか」という約束事を書きましょう。
例:「このプロジェクトは既存のルールを壊すため、社内から反発が起きる可能性があります。その際、ボスには『この実験は自分が許可したものだ』と周囲に盾になってもらいたい。その代わり、私たちは〇ヶ月以内に成果のプロトタイプをお見せします」
ボスを審査員ではなく「プロジェクトの強力な保護者(パトロン)」として巻き込み、現場が守られた状態で突っ走れるようにするための最終的な契約書のような資料です。
ここまでのステップで生み出した『常識外れで大胆な目標(ストレッチゴール)』に対して、会社やチームの決定権を持つ人(ボス)から、本気のコミットメント(覚悟の約束)を取り付ける」という重要なフェーズです。
まとめ
ということで、ビル・オコナー氏のSEIQというフレームワークを見てきました。やってみるとわかると思いますが、まーそうそうアイデアが思いつくものでもないので、一日一つ、今日はこの質問だけを考える日!って決めて取り組んでみるのもアリかと思います。
経営層の方はもちろん自社製品に対して使っていただければと思いますが、従業員の方が自分のしごとに対して使ってみたり、副業を考えるときなんかにも役立つと思いますんで、ぜひとも愛用してみてはいかがでしょうかー。