宮古島に引っ越したら謎の体調不良が治った!自律神経が原因の体調不良「心因性発熱」とは?

 病院の検査でインフルエンザや風邪などの反応が出ないにもかかわらず、急な高熱やだるさに襲われることがあります。感染症特有の咳やのどの痛みもなく、一日から二日ほど静かに休むとケロッと熱が下がってしまうアレ。こうした原因のわからない発熱に悩まされている方は私以外にも少なからずいらっしゃるはず。

私自身も過去に同じような経験をしておりまして、1、2週間に一度謎の発熱に見舞われ、次の日にはケロっと治っているようなことが数年続いておりました。病院にいっても問題なしで、原因不明の期間が割と長かったです。

ところがどっこい、宮古島に引っ越してきてからというもの、その体調不良が1-2ヶ月に一度にまで頻度が減ったので、不思議で、色々と調べてみたら自律神経の乱れのせいだったのかも?と思うようになりまして、ちょっとまとめてみようかと思います。


私は小さい頃から汗を全くかかない体質だったんですが、それはおとなになってからも同じで、それに加えて在宅勤務と陰キャが相まって2、3週間外に出ないのが普通でした。

しかし宮古島に引っ越してきてからというもの、海や公園に散歩する機会がめちゃくちゃ増えまして、かつての体質が嘘のように汗をダラダラかくようになりまして、それと同時に謎の体調不良も改善していったんですよね。


そこで調べて出てきたワードが「心因性発熱」で、このメカニズムを知るために、まずは自律神経の仕組みについて見ていきたいと思います。

自律神経とは?生命を支える司令塔の仕組み

自律神経ってのは、ご存じの方も多い通り、私たちの体を無意識下に制御してくれている機能のこと。

私たちの体って、意識して動かせる筋肉とは別に、自分の意思では直接コントロールできない無数の器官があるじゃないですか。心臓の拍動、胃腸の消化運動、血管の収縮と拡張、体温の維持など、生命を保つために必要な活動を二十四時間体制で休まず制御してくれているもの、それが自律神経です。

そして自律神経には相反する2種類のシステムがあって、

  • 交感神経

    • 主に日中の活動している時間帯や、緊張感・ストレスを感じているときに優位になる。

    • 交感神経が働くと心拍数が上がって血圧が上昇し、瞳孔が開き、筋肉が引き締まる。

    • 人間が危険に対処したり集中して作業を行ったりするための活動モード。

  • 副交感神経

    • 主に夜間のリラックスしている時間帯や、食事中、睡眠時などに優位になる。

    • 副交感神経が働くと心拍数は落ち着き、血圧が下がり、胃腸の動きが活発になり、免疫機能が高まる。

    • 体を休ませ、疲労を回復させるための休日モード。

心身が健康なときは、この二つの神経が時間帯や状況に応じてスムーズに切り替わります。車で例えるならば、交感神経がアクセルで副交感神経がブレーキって感じで、この両者がバランスよく機能することで、体という車体は無理なくスムーズに走り続けることができます。

しかし、過剰なストレスや生活リズムの乱れによって、この切り替えのシステムがうまく機能しなくなることがあります。これが自律神経の乱れってやつでして、体温調節や自律的な機能がうまくできなくなって、何らかの不調につながっていきます。

感染症ではない熱、心因性発熱のメカニズム

自律神経のバランスが崩れたときにあらわれる代表的な不調の一つが、心因性発熱です。一般的な風邪の発熱と心因性発熱は、熱が発生する仕組みそのものが大きく異なっていて、

  • 感染症の発熱
    通常の風邪やインフルエンザによる発熱は、体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体を撃退するために起こります。免疫細胞が病原体を発見すると、サイトカインと呼ばれる物質を放出し、それが脳の発熱司令部に届くことで体温が上がります。このプロセスにはプロスタグランジンという物質が関与していて、一般的な解熱鎮痛剤を服用すると熱を下げる効果が期待できます。

  • 心因性発熱
    細菌やウイルスなどの病原体とは関係なく発生します。強い精神的ストレスや慢性的な疲労、自律神経の混乱そのものがトリガーとなり、交感神経が過剰に興奮することによって直接的に体温が上昇してしまいます。

この心因性発熱は、免疫系の炎症物質を介していないため、一般的な解熱鎮痛剤を飲んでも熱が下がりにくいという特徴があります。なので、ロキソニンなどの解熱鎮痛剤を飲んでも体温が下がらない場合は、ウイルス感染ではなく、自律神経の乱れを疑ってみてもいいかもしれません。

症状の現れ方には私のように一日にドカンと高い熱が出る場合もあれば、慢性的に微熱がダラダラと続く場合もあります。

また、ウイルスに感染したわけではないので、その他の感染症の症状である咳や喉の痛み、鼻水や頭痛などは一切ないのも特徴です。ただただ熱が出て、それに伴った体のだるさが出る、しかも薬が効きづらい、ってのが特徴的ですね。

なぜ引きこもり生活が自律神経を乱していたのか

では、なぜ特に大きな事件があったわけでもない引きこもり生活の中で、自律神経が乱れ、心因性発熱が頻発してしまったのでしょう。一見すると、家から出ない生活はストレスが少なく体にも優しそうに思えますが、室内だけに留まる生活には自律神経の機能を低下させる要素がいくつも潜んでいます。

最大の理由は、体温調節機能の休眠。人間の自律神経は、外気温の変化に合わせて血管を開閉したり、汗をかいたりすることで体温を一定に保つ練習を日常的に行っていますが、かつての私のように、年中エアコンの効いた室内から出ず、外界の温度差を経験しない生活を続けていると、体温調節を司る自律神経のセンサー機能が徐々に鈍くなっていくんですね。

汗をまったくかかない体質になっていた当時の私は、汗腺や血管のコントロール機能がすっかりサボりモードに入っていたのかなと思います。その結果、少しの環境変化や日常の小さなストレスに対しても体温調節がうまく働かず、突発的な発熱として表面化していたのかもしれません。


二つ目の理由は、太陽光の不足によるセロトニンの低下です。脳内にあるセロトニンという物質は、気持ちを穏やかに整えるだけでなく、自律神経のバランスを保つ働きもシています。このセロトニンは、朝の光を目に取り込むことによって盛んに作られますが、数週間も外に出ない生活では、セロトニンの合成が大幅に滞り、自律神経のコントロール自体が不安定になっていたと考えられます。

在宅勤務が主だった私は、ビタミンDサプリさえ飲んでおけば大丈夫っしょ!と日光浴をだいぶ軽視しておりました故、自律神経の不調に陥っていたんですね。


三つ目の理由は、運動の採り入れ方です。運動が体に良いのは言うまでもありませんが、運動はその種類によって自律神経の働きが異なり、筋トレのような無酸素運動は瞬間的に交感神経を強く刺激し、ウォーキングのような一定のリズムで行う有酸素運動は、副交感神経とのバランスを整え、セロトニンの分泌を促す作用があります。

つい私たちは、筋トレはマッチョになりたい人がやるもの、ランニングはアンチエイジング意識が高い人がやるもの、みたいにやりたい人がやりたいことをやっていると思いがちですが(僕だけかも)、運動とは万人が、有酸素と無酸素をバランスよく採り入れなければならないってことですねぇ。

私は筋トレの習慣はあったものの、前述の通り一日中座りっぱなしの生活だったので、その当時の生活では交感神経のオンと副交感神経のオフというメリハリが上手につけられず、神経が緊張した状態のまま固定化されやすくなっていたのかもしれません。

こうした要素が重なった結果、自律神経の柔軟性が失われ、定期的な発熱という形で身体がSOSを発していたのだと考えられます。

毎日の散歩と発汗が体をもとに戻した理由

宮古島へ移住したことで、毎日の散歩とダラダラとかく汗が習慣になり、発熱の頻度は大幅に減りました。この劇的な変化も、自律神経のメカニズムから説明することができます。

まずは上述の通り、毎日の散歩が定期的な軽い有酸素運動と太陽光を浴びる習慣になり、自律神経を整える基盤が整い始めます。

次に、日常的に汗をかくようになったことで、休眠していた体温調節機能がリハビリされた点も大きいと感じます。暑さを感じて汗をかき、体温を下げて元に戻すというプロセスは、自律神経の血管運動機能を強く鍛えてくれます。汗腺がしっかり働くようになったことで、体内に不要な熱がこもりにくくなり、異常な体温上昇が防げるようになったのだと考えられます。

さらにおまけとして、公園で子どもや犬と遊ぶという楽しい時間は、副交感神経を優位にする活動になっています。ただ体を動かすだけでなく、精神的な充足感を得られたことが、交感神経の緊張を解きほぐす大きな助けになっていたはずです。

環境の変化が、たまたま自律神経の改善に役立つ活動を自然と採り入れてくれたおかげで、宮古島に引っ越したら体調が良くなった!と感じたわけですね。

誰でもできる自律神経の整え方

言わずもがな、自律神経を整えて体の不調を減らすために、必ずしも宮古島に引っ越す必要はありません。日常生活の中で、以下のようなアプローチを少しずつ取り入れていくことで、自律神経の働きは十分に高めていくことができます。

朝の光を取り入れて体内時計を整える

自律神経のバランスを整える上で最も基本となるのが、光を利用して体内時計をリセットすることです。

人間の体には、サーカディアンリズムと呼ばれる約二十四時間周期の体内時計が存在しますが、地球の自転周期とはわずかなズレがあります。このズレを毎朝リセットし、自律神経の働きを正しくスタートさせるのが朝の光です。

朝起きた直後に強い光を目に取り込むと、脳の視床下部にある視交叉上核が刺激を受けて体内時計が正しく刻まれ始め、自律神経を安定させるセロトニンの合成が始まります。屋外の太陽光は、たとえ曇りの日であっても室内の照明よりはるかに強い明るさを持っているため、朝起きたらカーテンを大きく開け、窓際で光を浴びたり、ベランダに出て外の空気を吸ったりする習慣をつけることが非常に効果的です。

また、強い光を浴びると、約十四時間から十六時間後に睡眠を促すメラトニンというホルモンが分泌され、夜間の副交感神経の働きを高めてくれるので、質の良い睡眠を得ることにもつながります。そして質の良い睡眠は、それ自体が自律神経を整える土台のようなものなので、この習慣はぜひ採り入れていただきたいもの。

吐く息を意識した長めの呼吸法

自律神経は基本的に意思の力で直接動かすことはできませんが、唯一、呼吸を通じて間接的にコントロールすることが可能です。

息を吸うときは交感神経が優位になり、心拍数が少し上がります。反対に息を吐くときは副交感神経が優位になり、心拍数が落ち着きます。この生理的な仕組みを利用し、吸う時間の倍以上の時間をかけてゆっくり息を吐き出す呼吸法がとても有効です。

具体的には、四秒かけて鼻から息を吸い込み、八秒かけて口から静かに息を吐き出していきます。これを三分から五分ほど繰り返すだけで、副交感神経の活動が高まり、過剰になった交感神経の興奮が鎮まることがわかっています。

仕事の合間に緊張を感じたときや、夜寝る前にベッドの中で行うことができるため、手軽に自律神経のスイッチをリラックス側へ切り替えるツールとして頭にいれとくといいと思います。

軽めの有酸素運動を継続する

自律神経の機能を高めるのが目的ならば、息が上がるような激しい運動は不要でして、むしろやや楽だと感じる程度の低強度な有酸素運動が適しています。

テンポの良いウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどを一日十五分から三十分程度行うくらいで十分。運動を開始して五分ほどでセロトニンの分泌が始まり、二十分前後で活性化のピークを迎えることが知られています。長時間の無理なトレーニングはかえって身体的ストレスとなり交感神経を高めてしまうため、もう少し動きたいと感じる程度の軽い運動を継続することが大切です。

また、日中に屋外で散歩を行えば、日光浴の効果とリズム運動の効果を同時に得ることができるため、自律神経の調整において非常に高い相乗効果が期待できます。

心の緊張を解きほぐすマインドフルネス

頭の中で不安や考え事がぐるぐると巡り続けている状態は、交感神経を慢性的に緊張させ、心因性発熱の引き金となります。こうした思考の過熱を抑える方法は色々あるものの、手軽なものとしてはマインドフルネスがあります。

マインドフルネスとは、過去の後悔や未来への不安から一度離れ、いまこの瞬間の自分の体感や呼吸に意識を向けることを言いまして、それは瞑想でもいいし、食器を洗う作業でもいいし、海を眺めることでもいいでしょう。とにかく、以下の2点のみ守っていればOKです。

  • 未来でも過去でもなく、今に集中する
    過去に起きた失敗や、未来に起こりうる可能性のある不安は一旦置いといて、現在に意識を持ってきます

  • 一点の場所、ココに集中する
    鼻の穴で感じる呼吸や食器を洗う時に水の流れる感覚、海の寄せて返す波など、自分で決めた場所に意識を持ってきます

最初は1分も集中し続けるのは難しいでしょうが、意識がそれたとしてもただまたイマココに意識を戻す作業を繰り返してください。意識がそれた時に「あぁ!それた!ダメだ!」と思うこと自体がマインドフルネスから遠ざかる行為ですんで、気楽に行っていただければと思います。

入浴によるマイルドな温熱刺激

温熱刺激をうまく活用することでも、自律神経のメリハリを取り戻すことができます。

三十八度から四十度程度のぬるめのお湯に十五分ほどゆっくり浸かる入浴法は、副交感神経を優位にし、全身の血流を促して緊張をほぐしてくれます。さらに、しっかりお湯に浸かってじんわりと汗をかく体験を積み重ねることは、休眠していた汗腺を刺激し、衰えていた体温調節機能を安全にトレーニングすることにも役立ちます。

また、入浴によって一度上がった深部体温が、お風呂上がりに徐々に下がっていくことで深い眠気が誘導されるため、これまた夜間のスムーズな休息につながります。

熱すぎるお湯はかえって交感神経を刺激して体を興奮させてしまうため、ぬるめのお湯でリラックスすることを意識するのがポイントです。

まとめ

原因のわからない発熱や急な体の重さは、決して本人の気が弱いから起きるものではなく、過剰な緊張や生活環境によって自律神経が悲鳴を上げているサインである可能性があります。

自律神経は、一度バランスを崩してしまったとしても、日々のちょっとした習慣の変化で徐々に正常な機能を取り戻すことが可能です。朝の光を浴びる、少し外を歩いてみる、ゆっくりお風呂に浸かるなど、できることから少しずつ体を動かしてみてください。

ただし、めまいや動悸、強い倦怠感、吐き気、不眠、うつ症状などがある場合は、自律神経失調症や他の病気の可能性も考えられますんで、絶対に自分で介入法を試すのではなくまずはお医者さんでしっかりと検査をされたし。

では、私の体調に今後変化があればまたなんか書きまーす。おーしまい。