私、心理学とか生理学とか、とにかく人の仕組みが好きでして、それ関係の情報収集した内容もブログで書いていこうかなと思ったりしたのでやってみまーす。
ほんで今回は名著「ファスト&スロー」を元に、人の脳の仕組みについてです。
脳には2つのシステムがあるらしい
著者のダニエル・カーネマンは、人間が必ずしも合理的には動かないことを証明して心理学者でありながらノーベル経済学賞を受賞したすんごい偉い人。 カーネマン先生いわく、人の脳には2種類のシステムが備わっていて、
システム1(本能)
瞬間的でパワーが強いけど、論理的なことは苦手なやつ。大脳辺縁系っていう部位が司っていて、私たちが意識間にもで24時間爆速で働く。システム2(理性)
時間がかかりパワーが弱いが、熟慮して合理的に考えることができるやつ。前頭前野っていう部位が司っていて、めちゃくちゃエネルギーを消費するのでなるべく使わないようにしている。
例えば、目の前にラーメンがあるとした時に、食べたい!と飛びつくのが本能で、それに対してダイエット中だぞ!とたしなめるのが理性。 瞬間的に発動する本能に対して後からいろんな事を考慮した上での考えを出してくれるのが理性です。この脳内バトルを見てもわかるように、本能は生きるために必要な行動をさせようとしてくるのに対して、理性は合理的な判断をさせるブレーキ役になっています。だから誘惑に負けるのは意志力が足らないからじゃなくて、圧倒的ハイパワーな本能に非力な理性が力負けしているだけ。本能を刺激してしまう環境設計の問題なんですね。
なぜ2つのシステムが必要なのか?
なんでこんな回りくどいシステムでやりくりしてるんでしょう?本能がラーメンを食べさせてるのに、食べ過ぎたら健康を悪化させちゃうって、自分で自分の首を絞める仕組みに思えます。
しかしこれは遺伝と環境のミスマッチによるもので、原始の時代にはラーメンなんて高塩分・高カロリーな食べ物は存在しませんでした。 そもそも本能というのは、生き物が生存と生殖を目的として進化してきたものです。飢え死にを防ぐために目の前に食料があれば限界まで飛びつくし、生殖機会があればそれを逃さないようにする。こうして個体が長生きをし、子孫を残し、それを育てることで繁栄できたんですね。
ですがここでこの本能だけでは不都合が生じます。人は他の動物に比べて非力なため、コミュニティを形成することで弱肉強食のサバンナを生きながらえてきました。するとこの本能システムでは社会性を担保することが難しくなってきたみたい。 仲間の食料を奪い、魅力的な異性がいれば他人のパートナーであっても行為を迫っていては集団生活が送れないでしょう。 こうした不都合を解決するために、無意識に湧いた本能の思考にフィルターをかける「理性」をあとづけしたわけです。
が、ここでなぜ本能をアップデートしなかったかと言うと、そっちのほうが楽だから。今まで数百万年をかけて進化してきた本能のシステムを書き換えてバグを修正するより、後付で新たなシステムを加える方が単純なんですね。パソコンの容量を増やしたいと思った時に、一旦パソコンをバラして、回路を切断し、新しいSSDを付けて配線しなおすより、はなから外付けのHDDを挿したほうが早いのと同じです。私たちの前頭前野は、まさに脳の外付けHDDなわけです。
本能を知るとできること
かように人間は本能のままに行動することが多いわけですが、これはつまり本能をうまく刺激してやることができれば以下のようなことが可能になるということです。
マーケティング
ターゲットの本能が欲しがるステータスや安心感を満たすコピー、UX、デザイン、キャンペーンを考えることで、理屈抜きでなんか猛烈にほしい!って商品になるはず。現にAppleやマッキンゼーはこの手法を取り入れてて、その商品やサービスがどれだけ人を魅了しているかはご存知の通り。マネジメント
本能を満たすってつまりはモチベーションを高める手段のことなので、本能の得意ジャンル。部下の承認欲求や自分の裁量で動かせる縄張り意識といった本能を刺激するように、タスクのデザインから組織全体の仕組みまで幅広い射程距離があります。恋愛
こちらも言わずもがなの得意ジャンル。人は遺伝子のきれいさ(健康さ)や家族へのコミットメント度合い(誠実さ)を出会った瞬間からずっと無意識で査定してるものなので、どこを磨けば魅力が高まるかの方向性を示してくれるはず。子育て
子どもはまだ理性を司る外付けHDDが発達していないし社会規範の理解も進んでいないので、100%本能の仕組みで生きています。理詰めで怒るのではなく、恐怖でフリーズする仕組みや、褒められてドーパミンが出る仕組みを知ればおのずとよい子育てになるはず。セルフコントロール
本能は自分自身に対しても使えまして、ダイエットが続かない、作業に集中できないなど目標に対して誠実性を発揮するためにもなるはず。意思の力で戦うのをやめて、お菓子を買い置きしないなど本能が誘惑に負けない環境設計をするのがコツです。
つまり本能とは自分を含めた人を動かしたいと思っている人全員に役立つ知識だと思うわけです。
まとめと次回予告
ってなことで本能に刺さるようにデザインされると自然とモチベーションがわくから理詰めで相手を動かすのはやめようね!という話でした。 にしても生存と生殖って本能で人は動いてる!といわれても実社会には活かしづらいので、今後本能の解像度をアゲて、具体的な欲求を見ていこうかと思いますのでよろしくお願いしまーす。