仕事も恋愛も“本能”で動かせ!人を動かす最強の原則はコレ!

インターネットやAIの発展により、誰でもそれなりの情報収集やアイデアの量産が可能になった昨今。

マーケティングやマネジメントとググって見れば大量のフレームワークが出てくるし、恋愛や子育てについて調べれば無数のテクニックにありつけるようになりました。

しかし、情報量が多くてどこから手を付けていいのやら、何を信じたらいいのやらと頭を悩ませることもしばしばあるんですよね。

それじゃあChat GPTの出したアイデアを片っ端から試していこう!とする前に、近ごろの心理学の知見を借りれば効果が得やすい戦略を考えることができるようになってきたので、

仕事にも私生活にも活かせる、成果をバクアゲする考え方を見てみましょう。


仕事も私生活も充実するたった一つの考え方とは?

恋愛からマーケティングにまで使える、そんな万能な考え方が本当にあるのか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、これらは、「相手に対して特定の行動を望む」という点で共通しています。

より煎じ詰めれば、対象物に対して交換を促せることができるか?ということでして、

  • マーケティングは製品やサービスのことを、
  • マネジメントは仕事のことを、
  • 恋愛は自分のことを、

なんか好き、と相手に思わせるのがゴールなわけです。


ここで最も重視すべき、むしろこれだけを考えるべきポイントというのが、

「相手の本能に刺さるかどうか」です。


これが唯一無二の相手を動かす方法といっても過言ではありませんので、

  • 本能とはなにか?
  • なぜ重要なのか?
  • どうやって使えばいいか?

みたいなとこを掘り下げていければと思います。


まずは、"本能"と言われてもピンとこない方もいらっしゃると思うので、人間がどのような思考プロセスで意思決定を行っているのかを見てみましょう。


人の脳が持つ2つの思考

心理学者のダニエル・カーネマンは、人間の思考には2つのシステムがあると提唱しておられます。


  1. システム1(速い思考)
    • 直感的、感情的、自動的
    • 素早く判断や反応を下す
    • 日常の多くの場面で使われるが、誤った判断をしがち
  2. システム2(遅い思考)
    • 論理的、意識的、努力が必要
    • 複雑な問題や計算、熟考を要する場面で使う
    • 正確だがエネルギーを消費し、面倒なので使いたがらない

多くの場合、人は無意識にシステム1(速い思考)に頼り、自動的に意思決定をしています。

この、無意識下に働くシステム1が本能、後から理論を組み立てるのが理性です。


眼の前にケーキが置かれた時、「食べたい!」と瞬時に飛びつく本能に対して、「ダイエット中だぞ!」と後から制止にかかる理性。このような脳内バトルは誰しもが繰り広げたことがあるんではないでしょうか。

そして多くの場合、理性は罪悪感だけを残し、本能に屈してしまうのは、私だけの経験じゃないはず。


このように、本能は素早く、強烈なパワーを持っているため、人を動かしたいときにはここに刺さるアイデアを考えるのが得策になるわけです。

しかし、本能にアプローチを行うべき理由はこれだけじゃありません。


みんな自分の意思決定の理由をわかっていない

本能は力が強く、その上100分の1秒という凄まじいスピードで情報を処理しているため、本能に準じた選択をしていることが多いわけですが、いや私は何でも熟考してから決めるタイプだ!いっときの衝動には流されず、自分を律している!と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ここで一つ、有名な実験(R)を見てみましょう。


これは、スウェーデンの研究チームによって2005年に行われた実験で、

  1. 男女100人以上に2種類の女性の写真を見せる。
  2. 写真を伏せて、どちらの女性が好みかを聞く
  3. 写真をもう一度見せ、選んだ理由を聞く


という、どっちの女性の顔が好みか?とその理由を聞いただけのシンプルな実験なんですけど、、この実験のステップ3では、みんなが選んだ女性とは別の写真を見せて選んだ理由を聞いたみたい。

つまり、

  • Aさんのほうが好み!と言った人にはBさんの写真を見せて、「この人を選んだ理由は?」と聞く
  • Bさんのほうが好み!と言った人にはAさんの写真を見せて、「この人を選んだ理由は?」と聞く

すると、約75%の人は写真のすり替えに気づかず、選んだ理由を語ったらしい。


つまり、人は本当は選んでいないものを選んだことにされても、気付かず正当化してしまうらしく、これは、チョイスブラインドネス(選択盲)と呼ばれています。

この現象は、人の脳は本能が無意識に意思決定を行い、後から理性が理由を考えていることの裏付けになっていまして、先程の実験で人がどのような思考プロセスを辿ったかというと、

  1. 2枚の女性の写真を見せられどちらが好みかを聞かれる。
    ⇨この瞬間、本能で好みの方を選んでる。しかし理由はまだ考えていない「なーんか好き」の段階。
  2. 選んだのとは別の写真を見せられて理由を聞かれる
    ⇨この時初めて理由を考え始める。自分の選択を正当化するように、もっともらしい理由を考えている。


理論で相手の説得をいくら試みようとも、相手の選択は瞬時に決まっちゃってるんだから、本能に刺さるアプローチを考えるのが得策でしょ!というのが、これでおわかりいただけたのではないでしょうか。


じゃあ、本能って何よ?

ここまでで、

  • 判断を下すまでのスピードの速さ
  • 理論で抑え込むのが難しいパワーの強さ
  • 自分でも気づかぬうちに決断を下す思考のオートモード

という本能の特徴についてみてきましたが、そこまで私達の体の操縦桿を握っている本能って一体何なのでしょうか?


詳しい本能の種類については、おいおいこのブログで扱っていきたいと思いますが、ざっくり分けると本能には2つの役割があります。

  1. 生存確率を上げる
  2. 生殖機会を増やす


人類が誕生してから何百万年もの間、主として存続してこれたのは、一人ひとりが生きながらえ、絶えず子孫を産み落としてきたからにほかなりません。

そのため、生存と生殖に役立つ行動を取ることが、脳のデフォルトモードに組み込まれたのです。


さらに、人類の進化はほとんどの期間を狩猟採集民として過ごしてきたため、その時代に適した欲求を持つように進化してきました。

いつ食料にありつけるかわからなかった時代を考えれば、目の前のケーキに飛びついてしまうのも納得がいくでしょう。


こんな古来の環境に適応した本能をなぜ今も使っているのかというと、本能は遺伝子にその情報が書き込まれているため、アップデートするためには何度も世代交代を繰り返す必要があるからなんですよね。

本能の進化は最低でも何十万年とかかってしまうため、ここ数万年で狩猟採集民を卒業した我々には、本能システムの更新プログラムがなされていないのです。


とはいえ、本能のままに動いていることにも不適合が生じたため、間に合わせのシステムとして理性を後付けし、本能の出力した思考に対して長期的な目線や社会的なルール、未来を見据えた選択を提供するようになったという感じです。


ただ、理性は本能に比べてエネルギーを使うし、無意識に本能の指示に従ってしまうのは上述の通り。

そのため、“相手を動かすには本能に刺さるのが最強”という話になるわけでございます。

本能の使い方

相手を動かしたい時、いかに本能に刺さることを考えるのが重要なのかはご理解いただけたんじゃないかと思います。

実践で本能を使いこなすためには、以下のステップを踏む必要があります。

  1. 人の持つ本能の種類を知る
  2. 相手がどの本能を強く駆動させているのかを知る
  3. 相手の本能に刺さる施策を考える


遺伝や育った環境、いま身を置いている環境などによって、強く駆動する本能は人によってグラデーションがあります。

それを踏まえ、

  • なぜその本能が生存と生殖に役立ったのか?
  • その本能はどのような行動を我々に取らせるのか?
  • その本能を刺激してやるには?

みたいなところを今後このブログで深ぼっていきますので、X(@Levolix_をフォローしてお待ちいただけますと幸いです。


理性で本能を上手くコントロールして長期的な目標を達成する方法なんかも紹介していきますんで、みなさんの生活にちょっとでもお役立ちできれば~